2009/09/30

厚沢部にて

先日、子ども向けに遊びと学びを融合した体験プログラムを提供するNPOのイベントのお手伝いをしてきました。

今回は、厚沢部へ。子どもたちは野菜の収穫体験をしました。


収穫をテーマにした子ども向けのイベントは農楽塾の時にやっていたことに近いものがあるので、懐かしい感覚。

収穫する瞬間というものは嬉しいものです。

早く取りたい、大きいもの、重い物を探したい、という気持ちが強い子が多かった。

なぜでしょう。
車でもそうですけど、小さい子って、大きなものに憧れを持つことが多いですね。

この憧れ、自分が大きくなりたいという気持ちというものに表象されているような感じがします。

その後、収穫した野菜を使ってパスタをみんなで作る。













過去に農楽塾で子どもたちとだまことかおにぎり作りをやったことはあったが、子どもたちに包丁を使わせるだけの責任を負うことができなかったな、と実感。

包丁使いも一つの勉強だし、どうやって芯をとるか、野菜を切るかという学びまで子どもたちに提供するって考えを、学生時代にできてもよかったかもなと思いつつ。

そのあとハロウィンかぼちゃづくりもやったのですが、23人いた子どもたちの包丁扱いにヒヤヒヤ。


しかし、思いのほか怪我なく使うことができる子どもたちも立派。


その後、農場の方に様々な農機を見せてもらい、子どもたちはおおはしゃぎ。

やはり、大きなモノには関心が高いようです。

今回面白かったのは、調理の際利用した、旧清和小学校の廃校を活用した清和の丘クラブ。
非常に味のある校舎でした。


叱るところは叱り、ほめるところはほめる。

野外で学びの時間、メリハリのある時間を作っていたのは、子どもたちにとって、とてもよいことだなと思いました。

道南の農業の現場を見るのも初めてだったので、貴重な機会を頂きました。

2009/09/21

もりもりようちえん

休みの日にお手伝いしている自然学校です。

(うまくリンク先ブログが読めない人はこちらから

先日は森のようちえんという、子どもも大人も自然の中でいっぱい汗をかきながら遊び、食べ、のびのびした時間を創る企画でした。

前半は、森の妖精探しに出かけよう!というプログラム。

森に隠れている妖精さんに目をつけてあげよう。というものです。

文字面だけだとなんでこんなこと??と思うかもしれませんが、なかなか面白い外遊びでした。
子どもはとても楽しんでやっていきます。


見ていて思ったのは、子どもの観察力ですね。

地形や植生の中から想像力を働かせて、隠れているものを想起する力はなかなかのもの。
私自身見ていて、これは面白い発想だな、と気付かされるものがたくさんありました。

(あとでみんなで見つけた妖精の紹介をしあい、森に妖精を返すべく、目を回収しにいきました。)












ロープと木を使ったブランコで遊んだり。

野ぶどうを摘んで味見してみたり。

絵本を読んだり。

外でみんなでご飯を食べたり。


最後はみんなで薪割り、火起こし。

これも子どもは体験。



りんごの芯を抜き、バターを入れて。

アルミで包み、ダッチオーブンに蓋をして。

遊んで待って、疲れた頃に…おいしいおやつの時間です。
便乗しておいしく頂きました。


参加者もスタッフも大募集です。

何か一緒にいい時間過ごしません?

毎回、子どもたちの純粋無垢な姿に心打たれます。色々なモノに対しフシギを持つ姿勢、当たり前が当たり前として作り出されていない発想力。

それにしても、駒ヶ岳の風景と、子どもたち。

ほんとうにいい画です。

屋代村塾15周年記念式典

先週の話ではありますが、社会人になってから初めて有給をとり、山形県は高畠町までいってきました。

大学1年時から毎年訪れている屋代村塾です。(参考までに、旧ブログに高畠のまちづくりに関しては記述しています。)

屋代村塾は農的生活を実践していた故 大塚勝夫教授が私財を投じて作った、様々な人が共生していく場です。

今回は15周年記念式典ということで、現地の人をはじめ、OBから現役大学生まで40名ほどが集まりました。

(文章の続きは--- の先にあります。)

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大学に入学し、一人暮らしを始めまず思ったことが、「東京には土がない。」ということでした。

小さいながらに自家菜園を持っていた実家での生活が都会に住む多くの人にとっては普通でないのだなと実感したのです。

畑を耕している祖母の過去の生活、作物を育てる苦労など自分は何も考えたことがなかったなと気付きました。

感謝の気持ちを家族に対して本当はもっていなかったのではないかと気づいたのがあまりにもショックだったのです。

とりあえず思いついたのが、農業っていったいどういうものなのだろうか、ということでした。

迷わず受講した講義が、農山村体験実習という講座でした。それが、高畠に行くきっかけを作ってくれました。


こんな授業をつくってしまった、母校、職員、先生方には敬服です。

これが大学生活の道を決めてしまったといっても過言ではありません。

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お墓参りから始まり、堀口教授の講演、交流会。

旧知の方々に久々にお会いできたのは楽しかったし、様々なことを話す機会が屋代村塾という場で成しえたことはとてもよかった。

ただ、今後も同じように都市農村交流が続いていくことができるのか、非常に気がかりであることに、今回訪れても変わりはなかった。

北海道と山形という距離ではあるけれども、どこか気に留めていくこと、働きかける必要性がある。

北海道と東京という距離があっても、同じ。



やり残していること、やっていこうとしていたことがまだまだたくさんある。

2009/09/20

森林づくり塾

9月頭の話になりますが、前回日記にも書いた自然学校のイベントで森林づくり塾に参加。
森作りにも様々な作業がありますが、メインは間伐でした。

ちょうど、お世話になった研究室の先輩が函館に来ていたのでその人も連れて行きました。

フィールド作りに関しては、WAVOCの三芳村PJで経験が何度もあったので、草刈機などの扱いに関してはある程度覚えているのですが、チェーンソーは久しぶりだったので、うろ覚えのところがありました。
復習できたので満足しています。

今回のプログラムですごかったのは、森の健康診断という、誰にでもできる森林調査を体系化していることでした。

初日に参加できなかったので残念でしたが、詳しくは、矢作川水系森林ボランティア協議会HPへ。


さて、間伐です。













左の写真の赤いパンツがあると思うのですが、これは、チェーンソー用の防護服です。これに関しては私自身も初めて見たものでした。

チェーンソーの刃が誤って触れた時、防護服から細かな毛糸のようなものが飛び散り、刃に絡まってチェーンソーの動きを止めるという代物です。

安全には持ってこいのものですが、使ったことがなかったのでこの存在を知らなかったのは非常に残念なことで反省。

使う機会があれば取り入れなければいけない品ですね。


間伐について知っている方も多いと思いますが、密になりすぎた森林を健全なもりにするため、木を間引き、下草が生育しやすい環境をつくり、土壌の流出を防ぎ、土砂災害を防止する目的があります。


これは、右の写真を見るとわかりますが、写真奥側は下草が生えている状態、手前は木が生い茂り、光が射していない状態。
一目瞭然ですね。
こういった状態を少しでも避けていくべく木を切り倒していきます。


確かに正しい土壌保全は重要だと思うのですが、人が森に入りやすい環境を作る、ということが一番大切な気がします。
今、この大沼のフィールドでやっている、馬によったフィールド作りも同様。
人が踏み入れやすい環境を整えていくことが、自然と人間が共生していく一歩だと思うのです。
これは農村に足を踏み入れてる環境を整えていきたいな、と思う自分の考えと共通。


そんなこんなで、馬場のペンキ塗りもしてきました。これは途中までの写真ですが、今は立派に塗り固められました。

2009/09/10

The Goal



今年は、今まで読んでいなかったジャンルの本をよく読んでいます。
社会にでてから、金融、経営的なことにやっと興味が出始めてきた気がします。

この本自体、分厚いのですが、かなりスリリングなので一気に読めるタイプかと思います。

単にコストを削減することが利益を出すことに直結するのか。

在庫というのは資産なのか、スループットできない重荷なのか。

自分が働いている目的とは何なのか。

会社が目指しているものは何なのか。


色々なことを考えさせられる2冊でした。

em factoryのスタッフやってた時、なんでもっとビジネスに興味沸かなかったかなーって思ってます。

自分が置かれた環境(社会人)によって、やっと関心を持つ分野も広がったようです。

2009/09/05

青春18きっぷに見る価格戦略(後編)

(前編)からの続きです。

青春18きっぷ(1日分に換算すると2300円)を利用する人がいたとして、もし会社が利益を出すために必要な距離を単純に考えてみます。

本州のJR会社(JR東・東海・西)であれば、営業キロで2,300円を上回るのが、

<幹線のキロ数(地方交通線のキロ数)>

141-160km(129-146km):2520円

私の住む北海道であれば、<同様にJR北海道>

121-140km(111-128km):2,420円

である。


これは大体、東京だと、南房総や、小淵沢あたり、北海道だと札幌から東室蘭あたりまでです。

単純に考えると、顧客が上の最低キロ数より乗車区間を短くするとJR各社には多少の利益がでると考えられます。
(5回全部使い切ることができないことからくる利益も考えられます。)


しかし、このきっぷの利用者は、主に長距離移動をすることが多いこと、また購入者も大抵は一日2,300円以上使うことが多いと思われるので、かなり薄利な商品なのでは、と考えられます。

ましてやJR6社間で売り上げを分配するのでしょうから、利益はあまり見込めないと考える方が適切なのではないでしょうか。

しかし、なぜこのきっぷが一役買っているのか。

一つは、乗車頻度の少ないローカル線の乗車率を高めるといった部分でしょう。

もう一つは、私自身、マーケティングを学んだことはないのですが、顧客層のセグメントを切っていると考えられるのではないでしょうか。

前編でも述べましたが、鉄道のきっぷの場合、付加価値を料金券(特急券やグリーン・寝台券など)で付与しています。

青春18きっぷはそれと異なり、低価格でより多くの回数の利用が図られるような体系です。

<下図参照>


青春18きっぷは、1回分の利用料金を低価格に抑えることで、鉄道利用のターゲットも多くしています。
さらに低価格で観光の要素を含めるといったメリットをこのきっぷは発揮します。

利益を出すのは付加価値だけではなく、こういった顧客数を増やせる努力をすることも大切です。


北海道では高速バスや自家用車といった交通手段が強く、ましてや、飛行機を使い観光に来る人が多い。

鉄道の旅の魅力を感じてもらうこと、バスや飛行機にない、列車の魅力というものを直接アピールできる青春18きっぷは、競合他社との争いに勝っていくための顧客獲得のためにかかるコストを低減してくれていると考えられるのではないでしょうか。

複数人数できっぷを利用可能という点も含め、このきっぷの価格はそれに見合った価値があるのではと考えた今日でした。

青春18きっぷに見る価格戦略(前編)

夏の間2ヶ月間ほど設定されている青春18きっぷがそろそろ終わりを迎える。

青春18きっぷは時間がたっぷりある学生や高齢者、はたまた5回中数回使い、金券ショップに売るといった使われ方までされるほどメジャーになっているきっぷである。

料金は11,500円、1回分に直すと2,300円である。

このきっぷのコストパフォーマンスはいかがなものなのでしょうか。

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きっぷに関して言えば、顧客あたりの単価が鉄道各社決められていて、

その分が 乗車券 と考えることができます。

乗車券だけで利益が出ているJR各社・私鉄等あるとは思いますが、それは顧客数が多いことに起因します。鉄道会社のほんの一握りの会社でしょう。

顧客獲得のためにかかる費用を乗車券部分から差し引いただけの利益では、鉄道会社はなかなか黒字化するのは難しいでしょう。


そこでまず、付加価値について考えてみます。

商品を売る際、商品の原価が決まっているとして、それに何らかの付加価値をつけるといったことをよく行なっていると思います。 飲食業だと、有機農産物で安全・安心などを協調していることも多いと思います。

(有機農産物が付加価値を与える要因になるかどうかについてまた別途見解を示したいですが…)


鉄道で考えてみると、移動の速さ車内の設備の質 で付加されていることが簡単にわかります。

例えば以下の写真を見ると簡単にわかります。



写真は今度私が使うきっぷですが、これは乗車券とは別です。
新幹線特急という、速さを付加価値にした3,880円です。

速さ:急行料金・特急料金
設備:グリーン料金・寝台料金

で乗車券に価値を付加しています。

この付加価値によって鉄道会社に利益が出る部分も大きいと思いますが、例えば青春18きっぷのような商品はこの考え方では説明できません。

→(後編)へ続く